Legend of Rajas  ―Fortune favors the brave―

著 Wolf_Man

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 地球の誕生から分子の時代、生命の時代を経て、人類は社会の営みの時代へ…

 電子と電波による合理的民主主義を貫き通した管理社会の中で、人類は進化を終えてしまったかのように淡々と存在していた。だが、これはあくまで先進国とその周辺国家だけの話である。
 この統合政府に反発する国家も少なくはなかった、特にヨーロッパを中心とした国々が同盟を結び反統合政府として樹立したのが「マルドゥーク連合(仮:絶対変更予定)」である。この二つの政府の差異は、やはり人類進化論における解釈の相違である。

 この時代、国民の12%以上がいずれかの特殊な能力を持ち、社会に混乱を招いていたが、これを「過渡期に達した人類の最後の進化」というものもいれば、「健康促進を名目にした遺伝子操作の副作用による異形体」というものもいる。

 これらは総称的に「イントルーダー」と呼ばれ、統合政府では招かれざる異端子であったが、逆にマルドゥーク連合では政府首脳陣の約半数がイントルーダーで組織されていた。 ただし、両国共通して苦悩しているのは、増え続けるイントルーダー犯罪への対処であった。

 普通の人間よりも洞察力の高いクリミナル・イントルーダー(超人犯罪者)の増加に伴い両国間の解釈の相違によるトラブルも増え始めた頃、各国の融資による国際標準犯罪捜査組織「E.C.S」(International Criminal Esper Search Corps Organization)を設立。

 この組織は、各国共用の機密組織であるがためにかなり微妙な位置付けがなされている。各国の民間警察の上位にあり、軍部とは同等もしくは上位の位置関係に属する。そのため、かなり選りすぐられた者のみが在籍し、大半がイントルーダーである、なかでも特別機動部隊「エスト」はEX-ランク保持者のみで形成される。本部は各国にそれぞれ存在する。

 ちなみに統合軍の規約では、宇宙での滞在期間は特別な場合を除いて最長5年とされているが、これは約100年前のベルセロガ大戦からの教訓で、これ以上イントルーダーを増やさない為の処置である(通常、危険な作業はすべてバイオロイドが行う)。
 この他、主要国家として、王族国家の「ファリーナ王国」、旧日本、韓国、台湾を含む電脳国家「アセアン(ASEAN)諸国連合(仮)」などがある。




−簡略年表−

AD2000
 人類は自らのDNAの98%を解明。11月、日本で「ヒトクローン技術規正法」が成立。 人のクローン胚を子宮に移植する行為を禁じる。

数年後、人間の遺伝子すべてを解明
さらに数年後、ジャンクDNAやイントロンにはすべてに重要な意味があるらしいことが判明(この後、秘密裏に様々な人体実験が繰り返される)。

注釈:この実験こそが、のちの「プロジェクト・シータ」の前身『ルキーナ・プロジェクト』 である(ルキーナとはギリシア神話の助産の女神で、ヘラクレスの誕生の邪魔をした) この実験により、指定の部位を変異(トランスジェニックス:トランスジェニック技術〔形質転換技術〕)させた生物を造り出し大問題となる。

2000年
 地球温暖化により、平均温度は前年に比べ0.4度上昇していたが、このままの状態が続くと、80年後(AD2080)には3.6度上昇、これにより北極、南極の氷山が溶け、水位が1.04b上昇する。 これにより浜辺は消滅する事が判明。
 数年後、人類はみずからの大地にテラホーミングを行うが、時既に遅く、低い地位の陸地は消え去り、地球全土の約1/5が消滅(真っ先に島国は沈没する)。また、浜辺の消滅により生態系は大きく崩れはじめる。特に海水は温度、水位上昇に伴い成分の変化が激しく、深海魚が異常繁殖し新生物も現れ、やがて陸地近くまで餌を求めるようになる。

2003年
 ルナ-A計画。月の内部調査のため、ペネトレーターを打ち込む。

2010年
 米はサイバー攻撃部隊を正式採用。これによりサイバー戦争時代へ突入。地球上の難民の数3千万人。

2018年
 火星調査計画、人類火星に降り立つ。

2019年
 人知れずサイバー戦争終結、事実上情報社会崩壊。

2025年
 第三世界、中国で食糧危機&水不足(地球の年間穀物生産量は20億トン、この量で米式の肉食生活に対応できる人数は約22億人である)。

2050年
 年々耕す大地や鉱物資源も失われ海からの資源をも絶たれた人類は、ここにきてはじめて、 みずからの業に気づく。
 この後、領土を無くした国々や、自給自足が困難な国は、国際連盟の名を借りたアメリカ合衆国に統治される。数年後、米国に統治されることに反発を持つヨーロッパは「ECUS」(マルドゥーク連合の前身)を、アジア諸国は日本と中国を主体に「アセアン諸国連合」を樹立し、 世界は大きくみて三大国家へと分布する。
 そして、国土を失った者達や難民らが結束し先進国へ抗議し始めた頃、ある国際私設団体(宗教団体)が彼等の受け入れを申し出た。

2053年
ニムバスの叛乱(仮)
 国連から統合政府と名称を改めたアメリカ合衆国は、公式の実験と平行して秘密裏に木星のエウロパを筆頭にいくつかの惑星や衛星にテラホーミングを実施する。
 この実験はニューロチップを搭載したバイオロイドのみの編成によって行われた。実は、このニューロチップのコア部分(神経組織の要所)は日本の次世代型ニューロバイオチップR-1のプロトタイプであり、その実用テストも兼ねていた。
 尚、バイオロイド達は自分を人間と思うようにプログラムされており、過去の記憶は勿論、 家族まで存在していたかのように思わせていた。
 しかし、ある事故をきっかけに、真実を知ったバイオロイド達は叛乱を起す。そして、 幾つかの戦闘の後、政府により封印される。この戦闘の公式発表は模擬訓練ということで隠蔽されたが、彼らはまだ何処かで生存している。
 このバイオロイドは「プロジェクト・ベータ(β)」のデータをもとに計画された。

21世紀後半
 地球の人口は約4倍に膨れ上がる、逆に先進国、特に日本は約半分に減る。この頃の地球の気温は現在より1,4〜5,8℃上昇、海面水位は9〜88cm上昇。
2105年
 人類は遺伝子操作によりすべての病気を解析、治療に成功。平均寿命も150歳まで延ばしたが、これを科学の進歩と認めず、神への冒涜と捉えまったく受付けない民族も増えていった。そして、副作用により新たな遺伝子病が生まれ、総人口の1/5が滅亡。

2106年
 大方の予想どおり、テラホーミング計画は何の成果も得られず棚上げ、コロニー開発計画に本腰を入れ始める。
2112年
 軌道エレベータ開発開始、30年後完成。

2157年
 人類初の開閉型コロニー「マティンズ・ノア」完成。30年後本格的に一般市民の移住開始。

2160年
 アメリカ合衆国は、コロニー防衛と称し、合衆国宇宙軍を設立。これを期に統合政府を樹立する。事実上、2/3の国をアメリカが国連の名の元に統括する事となる。これに伴い統合政府に加盟していない、または離脱した国々も独自に宇宙進出を計る。次々に開発されたコロニーは、 既に5基を越えていた。

2172年
 アセアン諸国連合内戦勃発

2175年
 アセアン諸国連合内戦終結、大日本帝国を基盤に大和帝國を建国、同時に鎖国に入る。首都はネオ東京(海上都市)と岐阜と九州である。ニューロバイオチップ“R-2”開発成功。

2246年
 スペースノイドも第三世代へ突入したあたりから、出産率が低下し、尚かつ奇形児の発祥率が上昇し始める。しかし、この奇形児等には特殊な能力が備わることが多かった。このためトラブルが多発する。

2265年
 第5世代に入ると身体の傷害もなく特殊な能力を持つ者が稀に現れるようになり、各地区を統率していくようになる。そして、小さな集団から群衆へ、群衆から団体へと規模を拡大していった。

2280年
ブルー・レボリューション(bluerevolution)青の革命
 政府の弾圧も加熱の一途を辿った頃、とうとう恐れていた事が起きる。「青の革命」である。 政府は何とか暴徒の鎮圧に成功するが、被害はかなり甚大であった。この一件以後スペースノイドは危険分子とみなされ、削除される方向へ進む、『異端者』(マーベリック)として。
 尚、「青の革命」での主犯格グループは処刑されたと公式発表されるが事実は異なる。 彼らの能力に前々から感心を抱いていた統合軍科学技術庁では軍事利用を前提に研究開発を目的とする「プロジェクト・シータ(θ)」を発動。既に経歴を失った彼らは、格好の研究材料であった(シータとは主犯格の女性の名である)。

2281年
 政府はスペースノイドをこのまま放置する事に不安を覚え、コロニー内にかなりの数の刑務所を設置し、地球からも大量の囚人を送り、更にはコロニー内に「ESPジャマー」を6機、 周辺に増幅器を250機設置、そして1年後には地球の周回軌道から外す手段をこうじた。
 これにより人類にとってスペースコロニーとは、生きながらにして最高の地獄絵を彷彿させる場所としての代名詞となった。

2383年
 完全に人間の廃棄地区と化したコロニー地帯は、住居、農業、監視プラントを含め23機。 総人口数約250万、内、囚人数180万、残りは監視員とその家族、 そしてファースト・スペースノイド達である。
 コロニー地区は軌道の関係上、一日で太陽光が届くのは、わずか3時間、気温は蓄電力の関係から15℃±2℃である。自給自足で全てを賄う彼らだが、生産量はかなり低く、事実上は年に二度送られる政府からの補給物資で賄われている。常に飢えや寒さと隣り合わせの生活、昼は囚人としての労働。
 こんな想像を絶するような地区でも、少しずつ新しい文化が芽生えはじめていた。

2384年
 スペースノイドの進化は世代を繰返す度に進化した。これは、元々の住民と、主に監視員とその家族などから繁栄した、特長として身体的に見分けはつかず、能力はかなり高い、そして寿命が短い(50歳前後)。

2385年
 コロニー地区の住居プラントは、9割が囚人収容施設、残り1割が元々の住民施設である。  この年、住民施設の片隅の、とある少女の命と引き替えに一つの産声が響きわたった (この少女とは、実はシータの娘である)。
後のスペースノイド革命覇者「シュヴァイツェル・アーヴァンベルク」である。

2402年
 『マーベリック』の誕生
 彼は、全コロニー地区を統括し独立自治権を要求するが、政府には相手にもされず、逆に反逆性を問われ、コロニー地区周辺に統合軍を配備される事となる、しかし、これを予想していた彼は自らが率いる私設軍を使い、わずか16名足らずで二個師団を全滅。統合軍は切り札でもある 「プロジェクト・シータ」の実戦部隊を投入するが、所詮人の手による疑似進化部隊と、真の進化形態を持つ者とでは力の差は歴然であり、統合軍は敗北する。
 しかも、シータ部隊の2/3はシュヴァイツェルの思想(超進化論)と絶大なる力に魅せられ投降してしまう(ここで投降する理由の一環として、シータの想いと共に遺伝子操作された部隊であったが故、孫のシュヴァイツェルに賛同した者も多い。また、スペースノイドに特殊能力が備わるのは“進化”である。これは、人類に根付いているイナフ生命体の遺伝子が、宇宙へ出たことによって徐々に覚醒し始めたためである)。
 完全勝利したシュヴァイツェルは、大地を願う者達の保護と保証、そして、進化する者への賞賛を交換条件にこの星系を去る(人口の2/3、約200万人が15機のコロニーに外宇宙航行用に改造を施し旅立った)。
 この人類初の宙間戦争は「ベルセロガ戦役」と称されるが、明細は一切発表される事なく闇に葬られる事となった。

2405年
 宇宙開拓を断念した政府が人口過剰問題に直面していた頃、何故かタイミング良く疫病が広まり約35億人が死亡。そのほか20歳をこえる大人のみ、中枢神経に障害を抱え一時的に記憶障害に陥る。後に細菌兵器と判明するが出所は不明。

2409年
 シュヴァイツェルの子孫であるレイニー・アーヴァンベルク率いる『マーベリック』たちは、外宇宙へ向かう途中アステロイドベルトの惑星セレスの軌道上でワームホールに遭遇。そしてラグナドールたちと出遭う。
 数年後、人工太陽を建設。新たなプロジェクトを設け「R.M.S(Re Master System)」を完成させパイロットを育成する。

2435年
「国際標準犯罪捜査組織ECS設立」
 クリミナル・イントルーダー(超人犯罪者)の増加に伴い、統合政府とマルドゥーク連合が両国間の解釈の相違によるトラブルを緩和するために、互いの融資により設立した国際標準犯罪捜査組織。
 この組織は両国共用であるため、存在位置としては各国の民間警察の上位にあり、軍部とは同等、もしくは上位の位置関係に属する。そのため、かなり選りすぐられた者のみが在籍し、大半がイントルーダーである。本部は各国それぞれに存在する。隊員は頭部に量子マイクロチップと、腕にはその端末が植付けられている。

2447年
 人類は第三期宇宙進出に伴なう更なるグローバル化を目指し、言語中枢を脳の中で統一化する “意識の会話”を確立する。これにより一度は世界共通的意識が芽生えたが、会話、文字、更には文化までも損ないかねないとして、一部の階級社会でしか使われなくなった。

2450年
 外宇宙へ進出した『マーベリック』達は、様々な恒星の発する宇宙線(太陽風)から身を守る為、生まれてすぐにウェブ・コーティング(web-coating)(酸素、熱を通し宇宙線は遮断する加工膜)を一年おきに施すようになる。総人口400万人。

2515年
『Episode1』
 『マーベリック』は100年ぶりに太陽系に帰還する。
Episode2〜3で赤い空とあるが、これは極度の大気汚染で鉛色になった空に中和剤を散布しているためである。
2520年
『Episode・第二部』
ベルセロガの復活

2550年
『Episode・第三部』
白鳥座A星雲の反物質宇宙から、ニュートリノと共に微量な反物質素粒子がミルキーウェイに向かっていることが確認される。

30世紀
 軌道エレベータ崩壊

4200年
フェラダ彗星、1万6200年振りに太陽系に接近。

数千年後
 ブラックホール発電の研究と開発


30億年後
 天の河銀河はアンドロメダ銀河と衝突し、付近の星域全体が高エネルギー放射線と、爆発する恒星だらけになる。

40〜50億年後 :太陽の赤色巨星化
 太陽は水素を使果たし、中心核が崩壊してヘリウムが核融合を起し、膨張して赤色巨星になる。地球は気化してしまう。

1兆〜100兆年後 :銀河の老齢化
 最後の恒星が消える。残っているのはブラックホールだけだ。しかし、ブラックホールは素晴らしいエネルギー源になる。その後、陽子の崩壊。

1、06グーゴル年後(十の百乗)
宇宙が熱死を迎える。ブラックホールの蒸発。そして宇宙は膨張を終え、収縮をはじめる?

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